2011米
ジャンル・スリラー
監督・ リン・ラムジー
主演・エズラ・ミラー
実の母親に対し、憎悪の感情を持って生まれたケビン。
エヴァは困惑しながらも、母親として懸命にケビンに愛情を注ごうとするが・・。
ケビンは典型的なサイコパスです。
彼らは総じて大事件を引き起こしてしまいがちです。
生まれながらにして他者とは違う「異質」を持っており、それを真っ先に察知しうるのが、他ならぬ親であるはずなのですが。
わたしの持論ですが、サイコパスは生まれつきであって、家庭環境で「なる」ものではないと思っています。
我が子がおかしいと気づいても、それは個性であるとか、成長期における精神の不安定が原因だとか、決して悪くは考えません。
実際そうですよね。
親であれば誰でもそうです(親がサイコパスだったら知りませんよ)。
当然病院で「サイコパスです」という診断は出ませんし、事件を起こして初めてその可能性を疑われるくらいです。
エヴァもそうです。
疑心暗鬼に陥りながらも、母親としてケビンを愛し、信じ、理解しようと努力します。
サイコパスを世に産み落とした家庭ってどうなってんだ?!
どういう育て方をしてたんだ?!
そんな世論の疑問に応えた映画です。
完全な答えではなく、あくまで数ある答えの中の一つ・・ではありますが。
ハロウィンからクリスマスが舞台になってなってますので、10月~12月に見る映画を迷われている方、一度ご鑑賞されてはいかがですか?
決して面白い映画ではありませんが、実に現代的なテーマに沿ったシニカルな作品だと思います。エヴァがハロウィンの夜に車を走らせているシーンが印象的でした。
バディ・ホリーの♪Everyday♪をBGMに、車のライトに次々照らされては消えていく仮装集団達・・・その怪しさと愉快さは寺山修司の世界観を思わせます。
評価:60点