1974年 米
ジャンル・ホラー
監督・トビー・フーパー
主演・マリリン・バーンズ
手足をチョキチョキ、内臓や血がドバドバ、うっかりそんな残虐描写を想像してしまい、つい見送ってしまいがちな本作。
実はそうでもなかったりします。
猟奇殺人を題材としていながら、残虐描写に乏しい本作が、何故にこのジャンルでここまで有名になったのか?
それはスプラッター映画として完璧なシチュエーションを持ちながら、恐怖を見せる事よりも、感じさせる事に重点をおいた数少ない映画だったからだと思います。
怪人、レザーフェイスの存在によるところも大きいです。
デカい図体に容赦のない暴力、しかしそこに知性は一切感じられません。
チェーンソーを抱え、ヒロインの女性をどこまでもどこまでも追いかけていく、その姿はまるで虫網片手に野原を舞う蝶々を延々と追いかけていく少年のようです。
無垢であるが故の残酷と言うのは、知性をもったそれとはまた違った恐怖を与えてくれます。
そしてラストの駄々っ子ダンス。
一見芸術的とさえ見えるこのシーンも、逃げたヒロインに対する異様なまでの執着を表したものかと思うと、恐ろしい限りです。そしてキチ●イ一家の奇行の数々。
ほとんど握力のなくなった殺人一家の長にハンマーを握らせ、皆でよってたかって女性を殴らせようとするシーンのなんと悍ましいことか。
あまりの惨状につい笑ってしまいそうになるのは、トラウマ回避のための自己防衛なのでしょうか?
評価:100点
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