肘をついて食べるのは実に合理性が高いというか、自然な形だと思うのです。
肘をつけば楽にお椀を持てますし、必然的に前屈みになるので膝元へうっかり料理を落とす事もありません。
肘をつくのは行儀が悪いと言われますが、ようは見た目が悪いという事なんですよね。
美しくないと。
美しくないと。
「食」は本能による行為です。
本能とは人間の醜さが露呈しやすい部分だけに、せめてその姿くらいは美しくみせようという、まーなんというか、いわゆるエゴですね。
あぐらをかいて素手で肉に食らいつく野蛮な姿こそが「食」本来の姿なのですから。
理性に従って野蛮な行為そのものを止めようとすれば、肉や魚は食べられなくなります。
大半の現代人のそれは躾によるものだとは思うのでそこまで感じませんが。
躾る側として、これを行儀という言葉でカムフラージュしていることに違和感を覚えてしまいます。