週一映画館

週一映画館

映画のレビューと音楽活動、筋トレブログです。

被告に送られたメッセージ

f:id:guiter8888:20210814131149j:plain
東京・池袋で2019年4月に車が暴走して、母子が死亡し9人が重軽傷を負った事故。
亡くなった母子の遺族である松永さんが、被告に対してブログでこんなメッセージを送られていました。

【一部割愛】
私にこの先何年も、人を恨み続ける道を歩ませないで欲しい。2人の愛してくれた、私らしい私でいさせて欲しいのです。
一審の判決が出たら、もう辞めにしませんか。こんな何も生み出さない無益な争い、もう辞めませんか。
「どうすればこういった事故を無くせるのか」という視点を共に持ちませんか。その為にできる事は、これだけの証拠を前にして「車のせいだ」と言い続けることでは決してないはずです。 それが、あなたが真菜と莉子に出来るせめてもの弔いであり、残された人生で、愛を持って出来る事のひとつなのではないでしょうか

f:id:guiter8888:20210814131207p:plain
一時は「あの人は変わらない。軽蔑した」と、被告の無反省さを確信していた松永さんが、最後の最後、被告の良心に訴えかけたメッセージ。

それでなくとも、良心の呵責に問いかける時間は十分にあったはず。
未だ考えの変わらない被告に、良心が存在しているとは思えません。

人を恨み続けたくないという松永さんの気持ちも分かります。
しかし自分を変える以上に他人を変えるのは困難です。
こんな人間の人生にこれ以上関わるのはそれこそ無益です。
しかしそう思うとまた、こんな人間に殺された二人が浮かばれなく思えてしまう。

松永さんは正しい判決が出る事を確信した上で、このメッセージを記されれたのだと思います。
形式上の正義が通る前に、被告に自ら人間らしさを見せて欲しいと願ったのではないでしょうか。
それでこそ、亡くなった二人の命が浮かばれるというもの。

 被告が意図的に事故を起こしたというのなら、居直ってもらって構わない。
しかしそうでないのなら、人として誠意を見せてもらいたい。
それが出来ないのなら、それはもう意図的な殺人と変わらない。

松永さんは強い人です。
奥さんからもらった愛情と、家族との思い出を糧として、1日でも早く平穏な日々を取り戻されるよう祈っております。