2013年 日
ジャンル・ドラマ
監督・内藤瑛亮
主演・上村侑
光市や川崎中学の事件を元に作られた少年犯罪をテーマとしたドラマ映画。
ニコ生配信者や加害者側による本の出版等、当時世間を騒がせた衝撃的な出来事も再現されていて、臨場感のある作品となっています。
苛めの延長で同級生の樹(いつき)を殺してしまった中学生の絆星(きら)。
監視カメラやラインの履歴からすぐに容疑をかけられるが、母親の嘘のアリバイ供述と、証拠不十分で不処分となってしまう。
絆星の焦燥感と行き場のない心がダイナミックに描かれていて、見ていてる側の感情を揺さぶります。
絆星はただの卑怯者です。
根っからのサイコではないので更正の芽はあったと思います。
それでも絆星の後悔の裏にあるのは、自身が救われたいという気持ちのみです。
樹の母親に投げつけられた「自分の罪と向き合いなさい」という言葉の意味を知るには、絆星はまだ若すぎます。
自分の人生を優先させてしまうのもある意味当然。
タイトルは「許された子供たち」ですが、実際は許されたのではなく、「なかったこと」にされているのです。
結果、絆星は「殺した」自分と「殺してない」自分との狭間で生きていくことになります。
そうした心の葛藤を繰り返していくことで、いつか自分の罪と向き合える時がくるのかもしれません。
ただ絆星が最後に話した夢の話、事件を吹っ切ったとも思える前向きな解釈と表情から、その可能性のないことが分かります。
ゾッとする終わり方ですね。
少年犯罪に関しては思うところがいくつかありましたが、加害者側に対しては容易な避難感情しかなかったのかもしれません。
加害者側の視点で語られる本作は大変見ごたえがあり、自分なら親としてどうするか等色々考えさせられました。
同情はしませんが・・。
シリアスな作風の中、ぽつんと置かれるギャグ?が気になります。
↓路上でいきなり地味なメガネっ子にボディブローの制裁を受ける絆星。そしてわざとらしく落としたボクシンググローブを拾い、去っていく少女。
同監督の「先生を流産させる会」でも主犯の少女が突然大阪弁を話したり(笑)
唐突でびっくりします。
100点
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