ほぼほぼ無抵抗の相手を無双していく三船敏郎。
けどご都合主義とは見えない。
要は切られる覚悟のある者とない者の差。
切られる覚悟のない者は、その直前まで”自分が刀を振りさえしなければ切られないんじゃ?”と考えてしまう。
その隙に切られる覚悟のある者は淡々と切りつけていく。
丑寅一家と清兵衛一家の抗争シーンでは互いに刀を交わすことなく押したり引いたり。
一見喜劇じみて見えますがあれが正常です(笑)
とはいえ三船一強ではロマンがない。
満を持しての拳銃伊達男(仲代達也)登場なのです。
切られる覚悟はなくても拳銃は撃てますからね。
シンプルに拳銃対刀の対決は見どころです。ところどころ座頭市(89')を思わせるシーンが見られますが、最後、戦線離脱したもう一人の用心棒(加藤武)とあぜ道ですれ違って・・とはならなくて残念。
いや、ひょっとしてそうなってほしかったという希望が座頭市で実現されたのかな。
実は加藤武めちゃ強かったっていうオチだったら最高だったけど(笑)
剣豪同士とはいかないまでも、やはり切られる覚悟のある者同士の対決も見たかったところ。
丑寅一家と清兵衛一家のごたごたがややこしいけど、娯楽作としての完成度は高い。
70点
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