週一映画館

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映画のレビューと音楽活動、筋トレブログです。

『犬神家の一族』三姉妹に降りかかる犬神佐兵衛の呪い

f:id:guiter8888:20210128162713j:plain1976年 日
ジャンル・ミステリー
監督・市川崑
主演・石坂浩二


横溝正史の小説を映画化したミステリーホラーの金字塔。
当シリーズにおいては最も多く映画化されている作品ですが、映像、音楽、演出において本作の完成度はぴか一です。

犬神佐兵衛の遺言状を元に集まった7人の血縁者達。
犬神家の後継者である孫達、佐清佐武佐智の3人のいずれかと婚約することを条件に、犬神家全財産の獲得権を得た居候の珠代
しかし珠代のお気に入りである佐清は、戦争で顔を焼かれ素顔が分からない状態。
周囲が疑いの目を向ける中、佐智の生首が発見される・・。

犬神家にまつわる過去の因縁話はある意味怪談です。
創作だと分かっていても、聞いてるうちにじわっと掌に脂汗が浮いてくるような。

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個人的に特筆すべきは、演者さん達の恐怖にひきつる驚きの表情。
リアクション芸人さながらの超大袈裟な演技につい笑ってしまうのですが、ドロッとした緊張が続く本作では、随所でアクセントとなっているのです。

中でも悲しみを交えた竹子の驚き方うぐぅぅヴゥッ」は秀逸!(写真左から2番目)
佐智の遺体を発見した時の小夜子「あがががっっっ」も引けをとりません(右から2番目)

余談ではありますが犬神三姉妹により迫害された青沼菊乃、劇中では亡くなっていることになっていますが、小説では松子の琴のお師匠(宮川香琴)ということになっています(めくらになっていたことも含め、見た目が変わっていたことで松子には気付かれません)。
怖すぎます。


評価:100