高校受験を控えた沼田茂之は、ビリから成績6番目の問題児。
沼田家に家庭教師としてやってきた吉岡は、高額報酬に目がくらみ俄然やる気を見せる。
横長のテーブルに家族四人が一列に並んで食事を摂る姿がなんともシュール。
それぞれの心が通い合っていない事を象徴しています。
吉岡と重行の関係はとても良いです。
鼻血がでるほど叩いたりもするが、喧嘩のやりかたも教える。
パンいちの茂之に添い寝もする。
破天荒でありながらも、気持ちで繋がろうとする姿勢を感じます。
最後の食事会は映画史に残る名シーンだと思います。
カメラは一台のみ、五人の食事風景を真正面から固定で撮り続けており、まるで寸劇のようです。
カチャカチャと五月蠅く響く食器の音が、心の通い合っていない家族の会話を更に無機質な物に変えています。
そして不条理な吉岡の鉄拳制裁?
コントとして見ても相当面白いです。
最後のヘリコプターの音はなんだったのでしょうか?
「今日はやけにヘリコプターの音が大きいわねぇ」
と母親が息子達に語りかけますが、息子二人は眠っています。
このヘリの音は実は母親にしか聞こえていなかったとか?
白昼夢のような、さては何かを暗示しているような不気味なラストシーンです。
評価:100点