2019年 西
ジャンル・ホラー
監督・ガルダー・ガステル=ウルティア
主演・イバン・マサゲ
閉ざされた四角い部屋で目を覚ますゴレン。
上下には穴が開いていて同じ部屋が無限に繋がっている。
しばらくすると上から大量の料理が台座に乗って降りてくる。
料理は上の階の人間の食べ残し。
数分の食事時間を過ぎると台座ごと下の階へ降りていく。
階層は一月ごとランダムで変わり、同室者のトリマガシはすでに1年以上この建物にいると言う。
ここで生き抜くためには連帯感(協力)が必須です。
なのにここにいる人間はひたすら目の前の欲求に固執していて、まるで知性が感じられません。
下の階へつばを吐き、糞を浴びせます。
絶望的です。
ただ「こうなってほしい」「こうなるべき」という視聴者の思惑とまるで違う方向へ話が進みつつも、ある種のハッピーエンドに行き着いたと言える本作は傑作だと思います。
謎は多いですが、矛盾も少なく考察のしがいがあるのも魅力。
※以下ネタバレ考察。
伝言としていたパンナコッタを子供に与えてしまい、代わりに子供を0階へ送ったゴレン。
手つかずのパンナコッタがメッセージになるのは分かるのですが、何故子供がその代わりになるのか?
自分にはよく分からないのでそこは触れませんが、結論から言うと、そもそもが333階に”子供はいなかった”のだと思います。
理由として、まず施設の元職員が「子供は入れない」と断言していたこと。
0階でパンナコッタを手にした管理者が激昂している様子が映し出されていたこと。
↓(管理者にいちゃもんをつけられるジャンレノと爆笑問題田中さん?)
施設の元職員がミハルを収用したのは8年前だということから、ミハルが施設内で生んだ子供だと考えられなくもありません(性別が合わないのは謎)。
ただ子供なら黙ってベッドの下に隠れていられますが、赤ちゃんはそういう訳にはいきません。
ましてや最下層、住人に見つかってカニバられる可能性大です。
いや既にそうなった後だったのかも。
そう考えればミハルの殺伐としたキャラクターも頷けます。
月始めの移動時に職員に見つかっていれば救出されていたと思われますが、ベッドの下に隠されていたうえガスで眠らされているので気付かれなかったのだと思います。
なにより管理者に認知されていない子供がちゃんとした子供服を着ているのがおかしいのです(どこから調達した?って話です)。
ゴレンが見ていたのは子供の亡霊だったのかもしれません。
もしくは333階についた時には既に絶命寸前で、幻覚を見ていたのかも。