週一映画館

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映画のレビューと音楽活動、筋トレブログです。

『サイコ』最も有名なシャワーシーン

1960年 米
ジャンル・スリラー
監督・アルフレッド・ヒッチコック
主演・ジャネット・リー


犯人はエドゲインを模してはいますが、ストーリー自体は別物。
ロバートブロックの小説が原作です。

有名なシャワーシーン含め、実に見どころの多い作品です。
2階の階段から母部屋の入口へ繋がる廊下があるのですが、ここでの殺害シーンは特筆もの。
階段を上がってくる人物に注視させつつ、同じ画面の反対方向から犯人をふいに登場させる演出。
僅か2秒程のシーンですが、固定カメラの位置がよく練られていて、ハッとさせられます。ヒッチコックの映画は撮り方が個性的で飽きないのですが、それ以上にそのシーンがどういう意図でそのように撮られているのかを考えるとより楽しめます。

例えばヒロインが本作のメイン舞台である旧道沿いのモーテルへ偶然辿り着くシーンは、笑えるくらいのどしゃ降りとヒロインの顔芸でコミカルに撮られています。
これは最初の殺人をよりショッキングに見せるため、それまで視聴者になるべく不穏な空気を感じさせないようにするための演出だと思います。
これがホラー映画ならあえてその空気を出して客を煽るところですが、本作ではこの辺の気配絶ちに注力されているのがよく分かります。

 

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